そのボケにはツッコめねーな
東の話をしようと思っている。
東(ひがし)といっても、少年隊の東山紀之(ひがしやま・のりゆき)のことではないし、東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお)前宮崎県知事のことでもない。落雁や煎餅などの干菓子(ひがし)のことでもない。方位でいうところの東西南北の東、日出る処の東である。
と、いうように、これから話をしようとしている「東」についての定義づけをする、その一歩手前の段階で、
「少年隊のヒガシがどーしたって?」とか、
「東国原さんがまた選挙に出るの?」とか、
「八ツ橋は、生の、あんこが入ってるのが好き」とか、
これから話をしたい東ではないものとして例示したものにイチイチ引っかかるひとってのは、いったいなんなのだろうか?と思う。
ひじょうにしばしば頻繁に。
そういう軽いジャブ的なボケ?をカマされるたびに、
「そうそう、こないだの代々木の募金にも来てたけど、ニッキってなんか老け込んじゃったよね……って、少年隊のヒガシじゃねーよ、ジャニタレのハナシなんかしてねーし」とか、
「そうそう、こないだの都知事選はちょっとカワイソーだったよね……って、その東国原さんじゃねーよ、選挙のハナシなんかしてねーし」とか、
「そうそう、シナモンの香りと粒あんのバランスが絶妙で……って、〝おたべ〟じゃねーよ、食い物のハナシなんかしてねーし」とか、
もうね、イチイチかまってらんないです。カンベンしてください。ハナシが先に進みません。っていうと、
「だったら、なんで少年隊のヒガシなんかもちだすわけ?」とか、
「東国原さんなんて、ぜんぜんカンケーないじゃない?」とか、
「さいしょに干菓子って言ったのはアンタの方でしょ?」とかっていう。
こだまでしょうか?
いいえ、だれでも……なく、ほかでもないあなたが「そっちのハナシじゃないのね」ってスルーしてくれればいいだけのこと。
「××ではなくて、○○」という語り方をしている場合、「××ではない」と断っているにもかかわらず、「××ってどーゆーこと?」って絡んでくるのは、私のハナシ(←○○にかんするハナシ)を聞きたくないからですか?……という問いは華麗にスルーするんだよね。なんで?
まあ、それでもなんとか方位でいうところの、東西南北の東だというところまでたどりついたとしよう。
「そう、東。南や北ではなくて東、もちろん西でもない東なんだけどね」
「南? あなた、今、南って言ったわよね」
「ええっ? ち、ちがうよ、今は東のハナシをしようとしてるんじゃないか」
「いいえ、たしかに南って言ったわ、どーゆーつもり?」
「だからちがうって言ってるじゃん」
「ちがうとか、ちがわないとか、そんなことじゃないの。どーして南か?って聞いているの」
「…………」←ため息
「あなた、今、ため息ついたわね」
そりゃあ、ため息のひとつもつきたくなりますよ。
※このお話は、なぜか私の脳内に湧いた全くのつくりごと、虚構も虚構なフィクションです。実在する人物や人物や人物などには一切カンケーありません。まったくの事実無根、荒唐無稽にもほどがある!ってな感じでよろしくお願いいたします。