読めない名前
キラキラ☆ネームだか何だか知らんが、キテレツで変ちくりんな当て字名付けが、一部で流行っているらしい。
「こんな難しい漢字を知ってるオレ達ってスゴくね?」
と、ケータイで変換していなかったら全部ひらがなで書いたであろうことを自慢げに鼻息荒く語っているに違いない。
さて、子どもの名前なんてものは、誰もが間違えずに読めるようなのを付けておくもんだと思っているのだが、まれに、
「なんでワザワザそーゆーふーに読み方間違えるかな?」
というような場面に出くわすことがある。
「トゥルルルル……トゥルルルル……トゥルルルル……」
日曜日の昼下がりに電話が鳴った。
「はい……」(←名乗らない)
「もしもし? ○○(←ウチの苗字)さまのお宅ですか?」
「はい……」(←必要最小限のことしかしゃべらない)
「○○(←ウチの苗字)さま、チリさまはいらっしゃいますか?」
「はぁ?……」
「チ リ さ ま……は、いらっしゃいますか?」
「いません」
「そうですか……、では、チリさまは、何時ごろにお戻りですか?」
「え?」
「チ リ さ ま は、な ん じ ご ろ に、お も ど り で す か?」
「いません」
「え? いらっしゃらないのですか?」
「いません」
「でも、○○(←ウチの苗字)さまのお宅ですよね?」
「はい」
「チリさまは、いらっしゃらないのですか?」
「ウチにそんなひといません。○○(←ウチの苗字)ちがいなんじゃない?」
「そうですか、失礼いたしました」
「はい、どーも」
このテの読み間違いはよくあることだ。
たいてい、そういう間違いをしてくる相手は、セールス電話をかけてきていることが多いので、まず、まともに相手をしないことにしている。
何かきかれても、なるべく「はい」か、「いいえ」のどちらかで答える。ほかには、
「ちがいます」
「わかりません」
「お答えできません」
「必要を感じません」
「お断りします」
などと答えることもある。
え? 感じ悪いんじゃないかって?
そーゆーときには、こう答えるのがいいでしょう。
「べつに……」