ハイブロウ(笑)

 
 バンドのスタジオ練習でのひとコマ。
 
「ストーップ! サックス、音外れてるぞ」
「どの音?」
「その音」
「その音ってどれ?」
「どれとか言うなよ、それだよ」
「それ?」
「そ、それ」
「そ、かなあ……」
「しれっと吹いてたろ?」
「しれっとなんか吹いてねえよ、どの音の話だよ」
「さっきからその音だ、つってんじゃん」
「その音って何だよ」
「それだって」
「どれだよ?」
「しれっと吹いたその後だよ」
「ら〜♪のとこ?」
「ら〜♪のとこは、ええ!」
「ら〜♪でえ、いいだろ」
「ええでえ、いい?」
「おっけー、それで行こう」
「またそれかよ」
「だからどれだって」
 
 もう、どれでもいい。←それかい!
 
 
 
※このお話はフィクションです。実在の人物・団体等には、いっさいカンケーないはずです(笑)
 

“G”が来た!

 
 ヤフオクで中古のマウスピースをポチったのが届いた。
 “G by Meyer #5”というのがそれ。
 
 ほとんど未使用品(買ってはみたものの自分には合わないからと手放したとのこと)が新品価格のほぼ半額で手に入ってしまったのだ。うれしいことではないか。
 
 以前、これと同じタイプの“Meyer #5MM”というのを持っていたのだが、楽器を眠らせていた18年間のうちに所在が判らなくなってしまい、残念に思っていたところであった。
 
 今回、あらためて手に入れた“G”は、以前に持っていた“5MM”とは外見が同じではあるのだが、内部の造り(空洞の形状や容積)が異なっている。息の通る穴がやや狭く、抵抗感が増し、かすれた感じの音になるようだ。
 
 と、いうようなわけで、勝手に中村あゆみのヴォーカルをイメージしていたりする。または綾戸智恵。もしくは青江美奈。←どんどん年齢が上がっていくのは気のせいだ。もんたよしのり木村充揮
 
 

 
 
 右端の“G by meyer”って書いてあるのが今回入手したもの。左の2本と比べるとわずかに小さい造りだね。
 
 真ん中にあるのは20年前にセルマー・シリーズⅡを買ったときに楽器に付属していた、セルマーの“S90-180”。あまり息を吹き込まなくてもよく響いてくれる。写真左端のS80-C★に比べて音程が安定していて吹きやすい。さすがにセルマーが楽器に標準装備するだけのことはある。音色はやや暗めでやさしく落ち着いた印象。
 
 左端にあるのはサックスを習い始めた22年前に買わされて以来ずっとメインで使っている、セルマーの“S80-C★”。素直で吹きやすく、中身がギッシリ詰まっているようなモチモチ感を伴なった明るい音色。写真中央のS90-180に比べて音色に変化をつけ易い分、コントロールがややシビア、というかミスるとそれが顕著に出る。ある意味リファレンス?
 
 と、ゆーわけで、今度の週末、天気がよかったら朝練でさっそくデビューさせちゃうんだぜ。さて、どんな音が出るのか、今から楽しみである。
 

18年ぶりに

 
 スタジオ練習なんかしてきた。
 それも、バンドに参加して、だ。
 しかも、どんな曲をやるのかすら、よく知らないで。
 
 楽譜も持たずに楽器ひとつ持ってった。
  ↑
 バンド譜にサックスのパートがないから、バンド譜持ってってもしょうがないじゃん?
 うち、1曲はライブの動画がYouTubeにあったから、サックス吹いてるとこだけ繰り返し再生して、だいたいどんなフレーズなのかを覚えただけ。あとは、何をやるのかノーチェック。
 
 しかも、現地入りしたのは開始時間を1時間ほど遅刻してからだ。
 
 でもね、気持ちよかったんだよねー。
 みんなに合わせて吹くなんてこと、本当、18年ぶりだもんね。
 
 指、まわんないけど、音色だけはきちんとしていたはず。
 ま、楽器のおかげなんですけどね。
 
 知らない曲ばっかりなもんで、他のひとの演奏を聴きながらアドリブで合わせる。なんとなく湧いてきたイメージをそのまま音に変換。それがうまいことハマると嬉しい楽しい、この音だい好きって感じ。
 
 
 
「この曲のイントロ、さっき吹いてたサックスのアドリブにして、そっから始めようぜ」とか言われて、
 
「え? オレ?」ってなって慌てて、
 
「どんな風に吹いてたっけ?」みたいになったのも、ご愛嬌ってことにしといてください。
 
 
 
 やっぱり、公園でひとりで吹いてるのとちがって、みんなと一緒にやるのは楽しいですね。
 
 

 

雨上がりの朝練(アルト編)

 
 日曜に早起きしてサイタマ県との県境にある自A隊駐屯地に隣接する都立公園(道路1本挟んだ北側にはサイタマ県側の公園があるので全部あわせるとエラく広大な敷地になる)でサックス吹いたりしているわけだが、3週目となる今回は今までのテナーに代えてアルトを持っていくことにした。
 
 アルトはチャリでは運べないので、クルマに積んでいくことになる。サイタマ県側にも東京都側にも駐車場があるのだけれど、朝の早い時間帯は東京都側の駐車場しか入れない。というのも、東京都側は野球場や陸上トラックを備えた「運動公園」ということになっていて、朝っぱらから野球をしていたり陸上のトラックをグルグル走っている人たちがいるので、開門時間が早いのだね。
 
 
 
 さて、今回、テナーでなく、アルトを吹こうと思ったのには2つの理由があった。
 
 
 
 理由の1つめはリード選び。音色が多少ラフでもいいから、レスポンスのよいもの。雑味歓迎、エッヂの効いた、強めのアタックにもへこたれないリードを探していたのだ。
 
 理由の2つめは、「雨上がりの夜空に」のサックスパートを吹くこと。ライブ音源と楽譜を聴き比べると、ライブ音源(主として「ラプソディ」)は、音域外の音が占める割合が6割〜7割あることがわかる。しかも、楽譜の書き方が、なんつーかテキトーなのである。
 
 こうなると、ほとんどアドリブで吹くしかないではないか。とはいえ、外しちゃならない特徴的なフレーズだけは何とかして再現しないとならないハズ。で、重要視したのは次の2箇所。
 
 最初が、イントロの、
「ぱぱら〜〜ん ぱらっ  ぱあああん らあああん ぱらっぱあああん♪」につづく、
「ぶひゃららぱっぱら〜 ぶひゃららぱっぱら〜♪」の部分。
 ↑ 
 これは、イントロに限らず、何度も出てくる、特徴的なフレーズだったりするので、絶対に外せない、はず。
 
 つぎに、
「Oh! 雨上がりの夜空に流れる〜 Woo! ジンライムのようなお月様♪」と
「こんなよるに おまえにのれないなんて〜♪」にそれぞれつづく、高音の
「パッ! ペッ!」というアタック音。これがキレよく下品に決まらないとカッコつかない。
 
 

 
 
 この2つとも、まあ、うまく吹けた(と思う)ので満足。とくに、「パッ! ペッ!」は、エレキギターの音に埋もれないように、しっかり際立たせねばならない。おそらくサックスはマイク使わずにナマ音だけでの勝負になるだろうから、音色を決めるリードは大切なのですよ。
 
「マウスピース変えたら?」の意見は、経済的理由などにより却下。
 
 

 

あされーん!

 
 日曜に早起きして、サイタマとの県境付近にある自衛隊の駐屯地に隣接するデッカい公園までテナーサックスを背負って行ってきた。
 
 なぜ、小さくて軽いアルトじゃなくて大きくて重い方のテナーを持ってったかというと、テナーの方がチャリで持ち運びやすかったからなのでした。
 
 アルトは四角いハードケース(←横に広く厚みもあるアタッシェケースみたいな感じ)に入れてあって、そのまま持ち運んでもそんなに苦にならない。なので、わざわざ軽量の肩ストラップ付きのパックケース(←ほぼ楽器のカタチをしている。楽器の蛹みたいに見える)なんか持ってはいない。今回は、これがアダになった感じ。
 
 四角いハードケースはチャリ移動には不向きです。
 
 一方の、デッカいテナー。四角いハードケースなんかに入れていたのではジャマになるばかりで持ち運びがとっても不便。なので、20年前にコイツを中古で見つけたお茶の水の楽器店で、本体と同時にパックケースも買って、入れて、そのまま現在に至っているとゆーわけ。
 
 テナーのパックケースを肩から斜め掛けに背負って、公園までチャリをチンタラこぐことおよそ20分。いい運動にもなる。
 
 公園には朝の6時半ごろ着いた。けっこうジョギングしているひとが多い。そのド真ん中あたりにあるベンチ付近に陣取って楽器を構える。
 
 
 
 1時間半ばかり、できるだけ音量を上げることを意識して吹いた。
 
 
 
 音程(楽器自体のそれ)は、まあまあ。よく響く。
 
 だんだん調子にのって舌でリズム刻んでみたりして遊んできた。指の動きが全然ぎこちないのと、頭でイメージした音程と指で押さえる音程とがしばしば一致せずに、素っ頓狂(←ソを吹くつもりなのに指がシを押さえてたりする)な音を鳴らしてしまうのは仕様です。
 
 でもね、だれにも遠慮せずにデカい音を出すって気持ちイイもんだよ!
 
 サックス吹いてる私の様子がよほど楽しそうに見えたのか、「昨日(土曜)の新宿Jazzフェス聴きに行きました?」なんて話しかけてくれる人もいて、なんか楽しかったなあ。
 
 これからは、日曜の朝の天気がよかったら、サックス背負ってチャリこいで、公園のベンチで朝練だ!
 

映画『ドラゴン・タトゥーの女』“限定公開版”の試写会に行ってきたぜ!

 
 じつをいうと、この映画は見逃してしまったと思っていたのでした。
 
 
ドラゴン・タトゥーの女
http://www.dragontattoo.jp/
 
 

 

 
 
 気づいたら、もうすぐブルーレイ&DVDがリリースされちゃうじゃん?みたいな。
http://bd-dvd.sonypictures.jp/fr/fr/displayGoodsDetail.do?goodsCode=BRS-80224
 

 
 
 6月13日(水)の、『ドラゴン・タトゥーの女』、ブルーレイ&DVDリリースに先立ち、一部で限定上映されていた“限定公開版”による試写会を観る機会がありました。試写会場は東京港虎ノ門にあるソニー・ピクチャーズ試写室。この試写会場が、とても素晴らしかったです。なんつっても椅子がゴーカ。分厚くコシの強いクッションと、それを包み込むシート生地の肌触りが心地よかったです。
 
 
 映画本編の上映時間は2時間35分。
 
 
 この数字だけを聞くと、「うわ、長がっ!」と思うかもしれませんが、じっさいに観ていると、そんなに長くは感じませんでした。途中で中だるみすることもなく、テンポよく、時間タップリ楽しめました。
 
 
 鼻にも唇にもピアスを通し、真っ黒けなパンクファッションに身を包んでバイクをかっ飛ばしている『ドラゴン・タトゥーな女』こと、リスベットは50がらみのオヤジ目線にもカワイく見えていました。あの瞳で見つめられたら、たぶんイチコロ。
 
 

 

 

 
 
 本編上映のあとで、ブルーレイ&DVDにテンコ盛りされているという特典映像の中の1篇を、本邦初公開していただきました。「リスベットが決まるまで」みたいな内容の15分。ルーニー・マーラが何度もオーディションを受け、スクリーンテストを繰り返し、主役の座を獲得するまでのインタビューや、当時の撮影風景などでした。
 
 
 その映像を見るまで気づかなかったんですが、彼女、『ソーシャル・ネットワーク』に出演していたんですね、若き日のザッカーバーグを、「あなたといてもつまらないわ」と振り、「カワイイ顔してるけど、オッパイが小っちゃいのが惜しい」とかネット上に暴露されてしまったコとして。覚えてらっしゃいますか?
 
 

 
 
 えっ? って、思ったでしょ?
 
 
 とゆーわけで、まだ観たことない人も、もういちど観たくなった人も、6月13日のブルーレイ&DVDの発売まで、首を長くして待ちましょう。
 

続・ロングトーン♪

 
 久しぶりついでに、もう1本のテナーも出してみた。
 出したら吹いてみたくなるのが人情というもの。
 当然、試しに吹いてみたのは言うまでもない。
 
 なんと、オリジナルの太くて黒いマウスピースが見当たらない。
 その代わり、黄金色に輝く細身のメタルマウスピースがあった。
 
 楽器を組み立てて、リードをセット。
 このリードが、なんかやたらとぶ厚い。
 
 はたして、鳴るのか?
 恐る恐る息を吹き込んでみた。
 
「…………」
 
 鳴らない!
 
 

 
 
 気を取り直して、今度はもっと勢いよく息を吹き込んでみた。
 なんとか鳴った。てゆーか、いきなりズバーンと鳴りやがんの。
   
 あービックリした。
 
 

 
 
 そうそう、アルトにつづけて、なぜもうひと回りデカいテナーを買ったのかっつーと、テナーを鳴らしきるにはそれなりにパワーが必要だからで、てことはテナーを鳴らしきるパワーがあればアルトなんかバンバン鳴らせるじゃん?って思ったからだったのでした。
 
 練習用というかなんというか、ってゆーか、アルトもテナーも、どっちも練習の身ではあるんだけどね。プロじゃないんだし。いや、プロだって、ふだんから不断の努力のプラクティスを欠かさないはず。
 
 で、このパカッと口の開いたマウスピース+ぶ厚いリードっていう組み合わせは、ブハブハと無節操に吹きまくって体力つけたい向きの筋トレマシーン的セッティング(←自分比)でありまして、繊細なコントロールなんてどーでもいーやと考えていた(←むしろ、そっちはアルトでやることだと割り切っていた)、当時の自分の考えがどんなんだったのか、よーくわかります。
 
 よーするに、何にもわかっちゃいなかったんです。
 
 

 
 うむ。加齢とともに体力が落ちていることを、ハッキリと思い知らせてくれるではないか。だって、これ、今の自分にはマトモに鳴らせるものではないんだもんね。ハッキリ言って、手に余る。
 
 でも、これ、鳴らしきりたいもんだね。
 
 この、ぶ厚いリードをしっかり振動させて、かつ、しっかり押さえ込んでコントロールすれば、びっくりするくらいに美しい音色で鳴るんだよ。その見本というか、お手本にしたいミュージシャンを紹介します。
 
 
 武田和命(たけだ・かずのり)さんのアルバム『GENTLE NOVEMBER』です。
 
http://www.amazon.co.jp/dp/B001VEH2ZA/

 
 
 YouTubeに動画が上がってたのでこっちもどーぞ。
 曲は、アルバム『GEMTLE NOVEMBER』から、『Soul Train
 
http://www.youtube.com/watch?v=jBRvcn4JimQ

 
 
 おそらく、人間に出せる、世界で最も美しい音のひとつだと思います。
 武田和命さんは、1989年にわずか49歳(←今の私の年齢)で亡くなってしまいました。
 
 私は、このアルバム『GENTLE NOVEMBER』を、たしか1990〜91年頃に手に入れたと思います。亡くなった翌年にCDで復刻されたのを吉祥寺の新☆堂で買いました。それで、この音を自分でも出せないものかと思ったような。。