ガリ勉☆甲子園?

 
 日経BPネット「ビズカレッジ」に連載中のコラムのなかに、面白くて毎回欠かさず読んでいるものがいくつかある。そのうちのひとつがこれ。
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「ロス女」vs「ボク様」50番勝負
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110104/256088/
 
 著者は1976年生まれの大宮冬洋(おおみや・とうよう)さん。当然、面識などない。ちなみに、2011-09-09現在の最新記事はこれ。
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【18】「肉食が肉食を好きになってはいけない」と気づきました
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110901/282579/
 
 同世代の友人たちとのサシ飲みで交わされた、ときには赤裸々な本音も語られている。著者のイヤミのないフラットな姿勢や態度が感じられて好感が持てる。お気に入りの著者さんのひとり。
 
 
 
 その、お気に入りの大宮冬洋さんが連載しているコラムに、こんなのがあった。「仕事の息抜きに楽しめるコンテンツ」を提供している、ビジネスマン向けのウェブマガジン「ブルームカフェ」の、「ガリ勉☆甲子園!」だ。
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ガリ勉☆甲子園! 大宮冬洋 Bloom Cafe ブルームカフェ
http://www.bloom-cafe.com/archives/author/oomiya
 
著者自身の過去を振り返る、いわばイントロダクション
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ガリ勉☆甲子園! 勉強だけが、青春だった。
http://www.bloom-cafe.com/archives/1524
 
実質的な連載第1回
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ガリ勉☆甲子園! 第一のガリ早稲田大学編(上)
http://www.bloom-cafe.com/archives/1656
 
 
 
 さて、私自身を振り返ってみると、ひたすら勉強に打ち込んだ時期があったという記憶はない。小学校の5〜6年生のときに、毎週日曜日に四谷大塚にテストを受けに通ってはいたが、「机にかじりついて」とかいうノリではなかったもんね。
 
 テキストを読んで例題を見ながら解法を覚え、解法を覚えたら練習問題を解いてみる。練習問題が解けたら応用問題を解いてみて、それが解けたらOK!って感じ。解けなかったら、なぜ解けなかったのかを、もう一度もどって確かめる。そのくり返しで1週間を過ごす。
 
 1週間かけて解法をマスターして解けるようになったかどうかをテストする。できたかできなかったかはテストの点数で評価される。別に誰かと競争しているとかいうものではなく、そういうルールのゲームだと思っていた。それだけ。
 
 
 
 勉強の成果はテストで測定されるものだとはいえ、テストの成績のために勉強していたというような意識はなかった。テストの点数の1点や2点やそこらで自分の価値が上がったり損なわれたりするようなものではなくて、体温を測っているのと変わらなかった。
 
 だって、テストって、「知っていること」と「知っていること」と「知っていること」を、引っ張り出したり組み合わせたり重ね合わせたりしながら、求められている「正解」に辿り着けるかどうかを問われるものでしょ?
 
 テストで「できなかった」ってことは、「知らなかったこと」を問われたか、知っていたけど「忘れてしまった」か、アウトプットを「間違えた」かのどれかだってこと。だから対策は簡単。
 
「知らなかったこと」や「忘れてしまったこと」は覚えてしまえばいいのだし、「間違えた」ことは間違わないようにすればいい。そんだけ。じつに単純、シンプルなものである。
 
 あとは、できるだけ要領よく、勉強にかける時間や労力のインプットはできるだけ少なく、勉強の成果のアウトプットはできるだけ多くなるよう心がけていたのである。
 
 これには中学・高校時代を全寮制の学校で過ごしたことが非常にプラスに作用した。寮内をうろうろと歩き回って各科目のそれぞれ成績上位の同級生のノートを見せてもらい、ついでに、
 
「××は○○で、△△は□□やんな?」
「なあ、※※は☆☆でよかったっけ?」
 
などと遠慮なくテストに出そうな重要ポイントにかんして適確な質問をしまくったりしていたのだ。じつに気楽に。
 
「うん、そのとおり、それでええねん」
「ちゃうちゃう、それは◎◎のはずや」
 
と、相手も気楽にそれに応じて答えてくれる。ときには、
 
「ちょい待って、もう一度調べてみよ」
「あぶな、間違って覚えるとこやった」
 
ってなることもあった。
 
「となると、そこは**ちゅーことやな」
「そやな、たすかったわ、ありがとうな」
「何ゆうとんねん、おたがいさまやがな」
 
 こうして、私の定期試験の受験対策はカンペキなものと化したのであった。今思えば、ずいぶんとオイシイところをチャッカリいただいていたものだ。それにしても、誰もがみな、嫌がるどころか親切に教えてくれたなあ、と思う。
 
「しっしっ、ジャマすんな、あっち行け」
 
などと追い払われるようなことなどなかったもんね。むしろ、
 
「よう来た、よう来た」
 
と歓迎されていたと言ってもいい。←これは単なる私の思い込み
 
 まあ、勉強にしても、スポーツにしても、楽しく過ごせたのなら、それでいいではないかと思う。青春だもんね。
 
 
 
 ただし、「ガリ勉」なヤツってクラスの中でのリーダー的な存在では絶対になかった印象がある。みんなを仕切ったりしていると、揉め事なんかが起きたりするけど、そんなことで貴重な勉強時間を削られたくないって思っていたのかな?