映画『ファイナル・デッドブリッジ』の試写会に行ってきたぜ!
みんなにも「知ってる痛さ」って、あるでしょ?
たとえば、床に落ちてる画鋲をウッカリ踏んづけちゃったとか、タンスの角に足の小指を思い切りぶつけちゃったとか、コンタクトレンズをつけようとしてウッカリ指で眼球を突っついちゃったとか、包丁を扱っていてウッカリ指をサクッと切っちゃったとか、そういうの。
そういえば、30年位前に渋谷神山町の寿司屋でバイトしていたんだが、出前用に使っていたスーパーカブの面倒をみてもらってたTモータース(このときの主人は二代目だと言ってから、けっこう老舗である)で、こんな話を聞いた。
さて、昔のバイクのタンクは股間の前に立ちはだかるような形をしていて、「タマ打ちタンク」とか呼ばれていたんだって。写真を見ればわかる、ナットクのこのカタチ。
急ブレーキをかけたりしたときには、タンクに接している股間に全体重がかかるので、うっかり追突なんぞしようものならそれこそ……だったのだそうだ。
そんなあるとき、店の前で発生した不幸な事故の話を聞いた。急停車したタクシーを避けきれずにバイクが突き刺さるように追突したというのだ。衝突の激しさは、衝撃でライダーの大事な部分の「袋」が裂け、中の「タマ」が外に飛び出してしまうほどだったという。
「…………」
ぼくらは言葉を失った。
現場に居合わせた店の主人は、道に転がっている「タマ」に気づき、急いでそれを拾ってあげようと思ったそうだ。
落ちていた「タマ」は血を含んで濡れていた。うっすらと砂をかぶってもいた。店の主人は右手で慎重に拾い上げた「タマ」を今度は左手に持ち替えて摘まんで持ち、右手の指で砂を払ってあげようとしたそうだ。血がついて滑りやすかったので、少々キツめに摘まんだんだって。
「…………」
聞いていて股間に妙な圧迫を感じたのを覚えている。
「うっかり、空豆を弾くようにキュルンって滑っちゃってさ」などと言うではないか。
「…………」
すごいリアルに感じて腰が引けた。
「ピュンって飛んでっちゃったんだよ、道に」
「えええっ! マジっすか?」
「そこへ運悪くクルマが通りかかって、『ぷちっ』っと……」
「ぎゃあああああ!!!!!」
こんなふうに、「知ってる痛さ」を感じる映画でした。
映画『ファイナル・デッドブリッジ』
公式サイト: http://wwws.warnerbros.co.jp/finaldestination5/index.html
予告編: http://www.youtube.com/watch?v=CRuIKqwE6v8
ポップコーンがハジケるみたいに人が死んでいきます。
熟したトマトを壁にぶつけたように頭が胴が潰れます。
人の身体って柔らかいものなんだと思い知らされます。
このチラシを見てもお分かりのように、これは「アトラクション・ホラー」です。アトラクションだということは、
「きゃあああああ!!!!!」とか、
「ひいいいいいい!!!!!」とか、
「いやあああああ!!!!!」とか、
思い切り叫びまくって日頃の溜まったストレスを解消するのが正しい鑑賞態度です。
緊張するシーンがつづくので、かたときも目を離せません。
あ、あ、あ、あ、だめ……、
やめてえええええ!!!!!
やっぱり眼は弱点なんですよ。眼は。弱点。
コンタクトなんて怖くてとてもできません。
ぷちっ……。