手書き文字向上計画

 
 日テレより、今朝の“ZIP!”ネタです。
 
「ペン習字を習い始める女性がふえている」
 
 じっさいに、ペン習字講座を開いている教室は、ペン習字を習いに集まった女性で大盛況。取材のカメラが入った教室も女性の生徒さんたちで満席状態であった。
 
 
 
 なぜ今ここで、ペン習字?
 
 
 
 今ってさ、手書き文字を書く機会なんて、そうそうあるもんじゃないよね?
 
 実生活において、文字で伝える情報ってもののたいていは、パソコンやケータイに打ち込んだテキストをそのままメールやウェブでやりとりすれば済んじゃうし、紙で渡したいならプリンターで印刷したものを持ってきゃそれでおしまい。郵便や宅配の宛名書きだって活字で印刷されてくる。
 
 年賀状の表も裏もフル印刷、見た目が全く同じ年賀状を別の人から受け取ったことさえある。ものすごい確率ではあろうが。
 
 銀行でお金をおろして振り込みするときだって、名前や口座番号を書き込んだ払い出し票に、相手先の名前や銀行口座を書き込んだ振り込み依頼書を添えて窓口に並ぶなんてこともしなくなった。ATMにカード挿し込んで指先で画面を突っつくだけで何でもできちゃう。
 
 文字を手で書く場面なんてドコにあるの?ってくらいに、その機会が激減してしまったんだね。
 
 字を書く機会がなくなり、じっさいに字を書かなくなってしまった悪影響というか何というか、使われなくなった能力がアッという間に退化して、字が下手なひとが巷にあふれ返っちゃってるのが今の世の中というわけだ。
 
 また、字を書く機会が減ったことで、滅多にないその機会に書いた字の下手さが余計に目立つようになったともいえる。冠婚葬祭の受付の記帳というような貴重な機会に「うまく書かなきゃ」と緊張しすぎて手が震え、自分の名前がヘロヘロになっちゃった……。そんな経験、ありますよね?
 
 街頭インタビューでは、いろんな人をつかまえて、20文字くらいのセンテンスを書いてもらっていたが、なんだかグニャグニャな字だったり、字が躍っていたり、バランスが悪かったりと、字が下手な人ばっかり出てくるかと思えば、丸っこい字や、カクカクしている字など、子供っぽい字を書く人もいた。
 
 
 
「せめて人に見せられる字を書きたい」というのが、ペン字を習う動機のようだ。
 
 
 
 ペン字教室に通っている人たちの多くは20〜30歳代の女性たち。そのほとんどが会社勤めをしているOL(←死語?)さんや、若いママたちだ。彼女たちが「人に見せるため」の文字を書かなくてはならないのは、
 
1.会社の取引先への郵便物の宛名
2.幼稚園や小学校の「れんらく帳」
 
 これって、ほぼ毎日くり返される、いわば生活の中に組み込まれているルーチンだったりするじゃない? てことは、毎日毎日くり返し、自分の「へたくそ」な手書き文字を眺めさせられるのは、ちょっとツライものがありそうだ。
 
 とくに「れんらく帳」
 
 先生からの連絡メモがきれいな字で書かれていたりしたら、その横に並べて書く自分の字の「へたくそ」加減が余計に目立っちゃうもんね。
 
「なんとかしなきゃ」って思うのも当然だ。
 
 
 
「文字を書くってことはさ、頭の中にある文字のイメージを、手に持ったペンを用いて紙の上に具体化することだよね?」
 
「まあ、そりゃそーだけど」
 
「てことは、“きれいな字”を書くために欠かせない要素は、たったのふたつ」
 
「たったのふたつ?」

「そう、まずさいしょに、お手本にしたい“きれいな字”のイメージがあること」
 
「ひとつめの要素だね」
 
「つぎに、“きれいな字”のイメージどおりにペンを動かせる手があること」
 
「手?」
 
「うん、手は大事だよ。思い通りに動かすことができなければ字は書けない」
 
「そういうものかな?」
 
「まっすぐ線を引こうとしても、じっさいに引いた線が曲がってちゃダメじゃん」
 
「なるほど、そうかもしれないね」
 
 
 
 番組では、1日30分で誰でもきれいな字を書けるようになる簡単トレーニングの方法を紹介していた。
 
 
 
 それがじつに簡単。トレーニングの内容はたったの3種類。紙とペン(エンピツでもいいよ)を用意して書くだけ。
 
 
1.ひたすら直線を書く
 
 縦なら縦、横なら横に、ひたすら直線をくり返し書く。
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2.「永」の字をくり返し書く
 
 「永」の字には、文字を書くために必要な要素(止め、ハネ、はらい、曲げ)がタップリ含まれている。
 永永永永永永永永永永永永永
 永永永永永永永永永永永永永
 永永永永永永永永永永永永永
 永永永永永永永永永永永永永
 永永永永永永永永永永永永永
 
 
3.ひらがなの「の」の字をくり返し書く
 
 「の」の字を、均等に丸く書くことでペンを持つ手の指先を滑らかにコントロールする練習。
 ののののののののののののの
 ののののののののののののの
 ののののののののののののの
 ののののののののののののの
 ののののののののののののの
 
 
 
 さいごに、ペンの持ち方についてもレクチャーされていた。
 
 ペンを持つ手の小指をしっかりと握りこんで、その小指の付け根付近を支点にするようにしっかり固定すると、ペン先が滑らかに動かせるようになるそうだ。
 
 試してみたらいいんじゃないかな?
 
 
 
 私? まあ、私は、特別に字が上手なほうだというほどのこともないと自分では思っているのだが、そこそこバランスのとれた読みやすい字を書くので、周囲の人たちからは、字がきれいな人だと思われている。
 
 経理という仕事がら、数字を手書きしたり、いろいろ注釈のメモを書き込んだりすることが多いので、数字にかんしては少なくとも読み違えられたりしないように気を配っているからね。
 
 ほら、「3」と「5」とか、「1」と「7」とか、間違えて読まれたら困るでしょ?
 
 
 
……などと言いつつ、私の字がきれいだと思われている最大の理由はたぶんコレ。
  ↓
「周りの人が、ヘタクソすぎる」
 
 
 
 どーも失礼いたしました。(笑)