カノジョをTDLに連れてって

 
 何の前触れもなく、突然こういう打ちあけ話をするのもなんだが、ボクはディズニーランドが嫌いだった。ディズニーランドに限らず、遊園地とかテーマパークとか、そういう行列ができるところが苦手で、自分から進んで近づこうとは一切しなかった。
 
 昭和の終わりごろのスキー場もそう。今ではとても信じられないことだけど、リフト待ちに長い行列ができていて、「1時間以内の待ち時間でリフトに乗れるなら空いている方だよ」などと言われていたくらいだ。
 
 そういう混雑する場所には、「君子危うきに近寄らず」とばかりに近寄ろうとはしなかった。自分は決して君子じゃないんだけどね。ディズニーランドもスキー場も遊園地もテーマパークも、まったく興味を持っていなかった。
 
 だって、並んで順番を待つのが嫌いだったんだもん。ということになると、その場所が嫌いだというんじゃなくて、混雑が嫌いだったと言い換えるべきかもしれないな。
 
 昭和の終わりごろのスキー場もそう。今ではとても信じられないかもしれないけれど、リフト待ちに長い行列ができていて、「1時間以内の待ち時間でリフトに乗れるなら空いている方だよ」などと言われていたくらいだ。
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※自分で確かめたわけではないけれどね

 
 
 そんなわけで、1983年にオープンした東京ディズニーランドには1度も足を運ぶこともなく、オープンしてからの10年間というものは、自分には全くご縁のない場所だと思っていたんだよ。首都高湾岸線を混雑させる迷惑施設くらいな認識でいたからね。
 
 その際、一緒に出かけて行く相手、すなわち「カノジョ」と呼ばれる存在の有無は重要なモンダイではない。なぜなら、そういう場所へデートでお出かけしようなどと思ったことなど一度もなかったからだ。
 
「こんど、ディズニーランドにいくの」
 
「じゃあ、ボクが駅まで送っていくよ」
 
「帰りが遅くなるかもしれないわ」
 
「駅へは何時に迎えにいけばいい?」
 
 
 
 さて、そんなボクにも、ついにディズニーランド・デビューを果たす日がやってきた。それは、GSバッテリーが連れてきた。
 
 
 
 1993年11月の最初の土曜日、待ち合わせ場所でカノジョをピックアップしようと、ボクはクルマのキーをひねった。
 
「きゅ……きゅ……きゅる………………」
 
 エンジンがかからない。バッテリーが上がっていたのだった。
 
 隣に停めてあった弟のクルマをギリギリまで寄せてのボンネットを開け、バッテリー同士をつなげてみる。今度はかかった。エンジンがかかったはいいが、このまま出かけていって、そこで一旦止めちゃうと、またかからなくなっちゃうかもしれない。
 
 エンジンをかけたままで弟のクルマを元の位置に戻し、待ち合わせ場所までクルマを走らせた。カノジョはすでに待ち合わせ場所に立ってボクの到着を待っていた。
 
「ごめんごめん、バッテリーあがっちゃってさ」
 
「だいじょうぶなの?」
 
「なんとかエンジンかかったから乗ってきた」
 
「どーするの?」
 
「バッテリーって、早いもので2年くらいで寿命がくるものなんだけど、このクルマ4年めなんだよね。そろそろ換えどきなのかもしれないね」
 
「クルマを買い換えるの?」
 
「んなワケねーじゃん、換えるのはバッテリーだよ」
 
「で、今日はどーするの?」
 
「これから新品のバッテリーを買いにイエ□ーハットへ行こう」
 
 
 
 というわけで、待ち合わせ場所からクルマで5分ほどの距離にあるイエ□ーハットに乗り付けた。エンジンを止めて、またかからなくなるといけないので、駐車場に入れたクルマのエンジンをかけたままカノジョをクルマに残して店内へ。
 
 店員さんの言うことには、ちょうとタイミングよくGSバッテリーの販促キャンペーン中とのこと。今なら新品バッテリーを4割引き販売するほか、交換工賃と古いバッテリーの廃棄料も無料にしてくれるという。こんなおトクな話を見逃すテはない。さっそくお願いすることに。
 
 作業ピットでは、バッテリー交換作業中の自分のクルマのほかにもタイヤ交換やオイル交換をされている複数のクルマの様子をピット裏から同時に見ることができる。新品バッテリーへの交換作業が終わるまで要した待ち時間は20〜30分ほどだった。
 
 
 
 ピットでのバッテリー交換作業が終わって確認書類にサインも済ませて、これで全部終了かなと思っていたら、店員さんから、
 
「こちらが、今回お買い上げいただいたバッテリーのキャンペーン応募ハガキになります」と、ハガキを1枚手渡された。
 
「これ、持っててくれる?」と、ハガキの内容には見向きもせずに、カノジョにバトンを手渡すようにトス。
 
 
 
 キャンペーンの応募ハガキのプレゼント賞品は、松阪牛セットと、下関ふぐセットと、東京ディズニーランドのパスポートの3種類。このうち1つにマルをつけたら住所・氏名・年齢・職業などの必要事項を書いてポストに入れるだけ。
 
「ねえ、ディズニーランドのパスポートにしなよ!」
 
「勝手に決めないでよ」
 
松阪牛とか下関ふぐとかよりも当選確率高いかもよ」
 
「なんで?」
 
「ディズニーランドは関東の人しか応募しないと思うから」
 
「なるほどね、どうせ当たりっこないけどね、切手いらないし」
 
「あら、締め切りまであと10日しかないわ、急がなくっちゃ」
 
「どうせハズレるだろうけどね」
 
 
 
 そして2週間ほどして、自宅のポストに1枚の封筒が届きました。
 
 差出人は「GSバッテリープレゼント係」と印刷されていました。
 
 中には、ディズニーランドのパスポート引換券が入っていました。
 
 
 
■バッテリーの時間
http://youtu.be/fJ5jjncPBjY

 
 
 
■バッテリー体操
http://youtu.be/2KplIdRuUrg

 
 
 
■CM「それはなぜ」篇
http://youtu.be/gZSKRSIquPQ

 
 
 
■CM「自分のアタマで」篇
http://youtu.be/0myDCB-wJ4w

 
 
 
■CM「理由は聞かずに」篇
http://youtu.be/8tF6AgVluvo

 
 
 
これらのオモシロ動画があったのはココです!
 ↓
ジーエス・ユアサ バッテリー TV−CM
http://gyb.gs-yuasa.com/cm/index.html