カワヅくん
若いカワヅくんに「海の広さ」についての話をしてみた。
カワヅくんが好きなのは、ほんとうは井戸なんだってこと、私は知ってるんだけどね。
狭い井戸の底から見上げたときに小さく見える空が好きだという彼は、私の「海の広さ」の話を遮って、
「でも、海水ってしょっぱいから嫌い」とか、
「でも、海って波が高くて危ないよね」とか、
「海にはサメもいるしね」とか、そんな返事ばっかり。
ちょっとガッカリだな。
それ、今の会話の話題じゃないから。
話題にしているのは「海の広さ」だから。
つっても、カワヅくんは聞く耳を持とうとしてくれません。
聞く耳を持っていない相手には、どんな話も通じません。
つーか、蛙くんには、海のように広い心や、空のように高い志、そして、豊かな想像力と創造力をもって欲しいな。
とか、思ったりする。
※このお話はフィクションです。実在の人物・団体等には一切カンケーないはずです。(笑)