電車で座席を譲ってみたら

 
 電車で座っているところへマタニティママさんがやってくると、ちょうど目の高さにお腹があるからすぐにそれとわかる。そんなときは、「どーぞ」って席を譲ることにしてるんだけど、2回に1回くらいの割合で「いえ、けっこうです」って遠慮されることがある。なんだか気まずい。
 
「どーぞ」
「いえ、けっこうです」
 
 ってなるのは、席を譲ろうとするタイミングが悪いのかもしれない。だって、「いかにも」感にあふれているから。もしかすると譲られるほうも気まずい思いをしているかもしれないものね。ならば、
 
 いかにもって感じを避ければいいじゃん。

 ってなわけで、気づいてすぐには譲るアクションを起こさないようにしてみた。少し間をおいてから次の駅で降りたい「ちょっとせっかちな人」を演じてドアに向かうことにしてみた。
 
 私は「ちょっとせっかちな人」を演じている人なので、席を立ってドアに向かう途中も、ドア前に着いてからも、「ちょっとせっかちな人」でありつづけるために、けっして後ろを振り向かないことにしている。これはもう必須。
 
 仮に、次の駅で降りなかったとしても、それは自分がせっかちだから、「ありゃ、駅まちがえちゃった」ようなフリをする……なんてことまではさすがにしませんが。